ユーチューブチャンネル ガロセロ研究所(以下、ガセヨン)が俳優キム・スヒョンと故キム・セロンの会話だと主張して公開した録音ファイルについて、AIによる改ざんの有無が「判定不可」と結論づけられ、波紋が再び広がっている。韓国国立科学捜査研究院(以下、国科捜)が技術的限界を理由に真偽を断定できないという判断を示したことを受け、キム・スヒョン側は遺憾を表明し、捜査過程全般に問題があると指摘した。
16日、警察などによると、ソウル・江南警察署は先月、国科捜から当該録音ファイルについてAI改ざん・変造の有無は判定不可とする鑑定結果の報告を受けたという。国科捜は、警察が依頼した資料が原本ではないうえ、雑音などにより技術的に真偽判断に限界があるという趣旨で回答したと伝えられている。
問題の録音は今年5月、ガセヨン側とキム・セロン遺族の法定代理人が記者会見で公開した音声資料で、「キム・セロンが未成年だった時期からキム・スヒョンと交際していた」という趣旨の主張が含まれていたと報じられた。これに対し、キム・スヒョン側は直ちに「AIディープボイスなどを利用した捏造の可能性」を提起し、ガセヨンの運営者キム・セウィや遺族側らを相手取り、刑事告訴・告発に踏み切り、さらに大規模な損害賠償訴訟も提起している。
国科捜の鑑定結果が伝えられると、キム・スヒョンの法定代理人である弁護士コ・サンロクはユーチューブを通じて「判定不能が直ちに虚偽事実の流布疑惑が解消されたことを意味するわけではない」と線を引いた。弁護士は、鑑定の対象が「記者会見の現場で再生された数分程度のサンプル」に過ぎなかったとして、警察がガセヨン側が存在すると主張する全量の原本音声を積極的に確保しなかった点を問題視した。また「記者会見から相当の時間が経過した後に一部サンプルのみを提出させ、鑑定依頼が行われた」として、捜査手続きについて公然と批判した。
一方で、ガセヨンのキム・セウィ代表は「フルバージョン(相当量)を提出した」との趣旨で述べ、追加公開を示唆したと伝えられている。警察は現在、押収物のデジタル・フォレンジックなどを通じて録音内容と流通過程、虚偽性の有無などを精査しており、関係者の送致可否も近く判断される見通しだと複数のメディアが報じている。